村上さんピンチ

日経一面に、捜査の記事

前日の読み
売り圧力は強い、かぶせ足が出現
 本日の日経平均は55.08円安の15915.68円で取引を終了した。米国株式相場の上昇を好
感して買い先行の展開となったものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなる展開。上値を
買い進む手掛かり材料に乏しく、後場に入ってからは失速となった。ローソク足では陰線
が出現しており、この付近での売り圧力の強さを示唆。ローソク足の組み合わせでは“か
ぶせ足”が出現しており、戻りの限界値に達したことを示唆している。業種別東証株価指
数では鉱業、銀行業、石油石炭製品などが上昇、水産・農林業、食料品、パルプ・紙など
が下落がとなった。
 本日日経平均が下落したのは、決定的な買い材料不足や信用需給による上値の重しなど
が要因。3月期企業の決算発表が一巡したことで、市場には個別銘柄を積極的に買い進む動
きが後退している。また、依然として信用買い残も大量に残っており、先週末の上昇に対
する戻り待ちの売りが優勢となっている。さらには新興市場銘柄の値動きがさえないこと
も、投資家心理を悪化させている。マザーズ指数、ヘラクレス指数は共に年初来安値を更
新しており、下落余地が一気に広がる展開。某有名ファンドに関する思惑的な見方も不安
心理を誘っており、処分売りを急ぐ投資家が多かったようだ。
 本日の下落によって、今回のリバウンドの限界値がはっきりしたようだ。それは恐らく
本日の始値(16111.54円)であったと思われる。先週末の急上昇はゴルフに例えて“ラフ
からフェアウェイ”と表現したが、我々がプレイしていたのはどうやら隣のホールであっ
たようだ。5日移動平均線(15817.31円)から25日移動平均線(16592.03円)は一見居心
地の良い場所に思えたのだが、実は強力な“デンジャラス・ゾーン”だったのだ。いつ当
該ホールのプレイヤーからボールが飛んで来てもまったく不思議ではないのだ。そして今
後株価は元のホールへと戻ることになるであろう。それは勿論5日移動平均線以下のゾーン
であり、ここから株価が再度下値を試すことを意味する。その際15500円処の壁を死守で
きるかが焦点となるが、一旦株価が上昇したことで、この壁が消滅している可能性もあ
る。壁がなければ今度こそOBであり、株価は深い谷底へと落ちることになる。心して相
場に臨みたい。
 (株式会社フィスコ 黒岩 泰)

アメリカ復活
△ダウ 11,260.28
91.97 (0.82%)
△SP500 1,285.71
15.62 (1.23%)
△Nasdaq2,219.86
40.98 (1.88%)
△CME日経 15,720
55 (0.35%)
Dax 5,707.59
14.73 (0.26%)
△FT100 5,749.7
25.9 (0.45%)
△米ドル 112.68
0.12 (0.11%)
▼ユーロ 144.18

  • 0.08 (-0.06%)

▼ポンド 210.07

  • 0.37 (-0.18%)

米国債 5.106

  • 0.021 (-0.41%)

▼JGB 132.86
NY原油 70.34
▼金 633.50

村上さんどころか、日本中の投資家がピンチでした。
10時過ぎの暴落で気分が悪くなった人も多いのではーーー、

主力優良銘柄は終始堅調だが、指数は先物主導で乱高下

日経平均            15,789.31 (△285.57)
日経225先物         15,790 (△290 )
TOPIX            1,606.11 (△ 21.55)
単純平均             484.77 (△ 3.31)
東証二部指数           4,362.56 (▼ 53.96)
日経ジャスダック平均       2,324.38 (▼ 22.61)
東証マザーズ指数         1,348.58 (△ 30.78)
東証一部
値上がり銘柄数          955銘柄
値下がり銘柄数          661銘柄
変わらず             82銘柄
比較できず            0銘柄
騰落レシオ            68.42%  ▼ 1.63%
売買高            24億0403万株(概算)
売買代金        3兆0643億2500万円(概算)
時価総額          511兆1432億円(概算)
為替(15時)          112.73円/米ドル

◆市況概況◆

 本日は日経平均が年初来安値(引値ベース)を更新するような場面もあった
のですが、結局は大幅高となり、乱高下となった一日でした。寄り付きは米国
市場が堅調であったことを好感する動きから買い先行で始まりましたが、外国
人売買動向(外資系12社ベース、市場筋推計)が大幅売り越しとなったことを
嫌気する動きや小型銘柄に対する見切り売りなどもあって、逆に大幅安となり
ました。先物のまとまった売り買いに振らされた感も強いのですが、週末の手
仕舞いの動きや押し目での腰の据わった買いなどもあって切り返し、堅調な展
開となりました。

 朝方の雰囲気と前場中頃からの雰囲気と、後場に入ってからの雰囲気がころ
ころと変わるような展開で、先物の動きや小型銘柄の動きに右往左往する向き
も多かったのではないかと思います。ただ、大きく売られる場面でも下値を売
り叩くと言うよりは先物の動きに振り回されるといった雰囲気も強く、主力優
良銘柄が腰の据わった買いでしっかりしていたことで、底入れ感も出て来たの
ではないかと思います。

 小型銘柄もようやく底入れ感の出て来るものもありました。東証マザーズ
数は反発となったものの二部株指数や日経ジャスダック平均は下げ止まらず、
軟調となりましたが、そろそろ下げ止ってくるのではないかと思います。先物
へのまとまった売り買いに一日中振り回された感も強いのですが、ヘッジして
いた分の買戻しなども多かったのではないかと思います。

 ようやく米国市場の大幅高に連れ高となりました。東証マザーズ指数の切り
返しなどを見ると見切り売りも一巡したのではないかと思われます。いつ下げ
止まるかが注目されている中で先物への買戻しや仕掛け的な買いが入ると途端
にセンチメントが変わって、買い場を探し、買える銘柄を探す展開となったの
でしょう。主力銘柄がしっかりしていたことで、小型銘柄も売り叩き難く、買
戻しを急ぐ動きもあったのかもしれません。


(投資情報センター 清水洋介)


−<今日の言葉>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・年初来安値(ねんしょらいやすね)
 その年で最低の値段のこと。

◆個別銘柄◆ 

 主力銘柄はしっかり、小型銘柄も切り返すものが散見される

トヨタ (7203) 6,120円 △100 円 :100株単位
 米国市場が続伸となったことや、発表された5月の米新車販売統計で同社の
堅調さが伝わったこともあって買いが優勢となり、市場全体のセンチメントが
悪くなった中でも底堅く推移して、大引けは堅調となりました。

松坂屋 (8235) 750円 ▼100 円 
 同社の大株主である国内系投資ファンド東京地検の捜査が入っていること
が報じられ、それを受けて朝方から売りが優勢となり前場は売買が成立せず、
後場に入ってから値がついたものの、ストップ安となりました。

KDDI (9433) 756,000円 △37,000 円 :1株単位
 固定通信事業の先行きに対する懸念が一巡したとの見方から、外資系証券が
投資判断を引き上げたことが材料となって、朝方から買いが集まり、引けは大
幅高となりました。

国際帝石 (1605) 949,000円 ▼21,000 円 :1株単位
 原油価格の下落を嫌気して同社など石油関連銘柄は売りが優勢となり、軟調
な引けとなりました。

ファーストリテイ (9983) 9,920円 △260 円 :100株単位
 朝方から買いが優勢となり、相場が乱高下する中でも底堅く推移し、後場
じりじりと値を上げて大幅高となりました。大引け後には「ユニクロ」の5月
の既存店売上高が前年同月比で増加したことが報じられました。

スターバックス (2712) 49,750円 ▼350 円 :1株単位
 シアトル系カフェの食事が人気を集めていることが報じられましたが、想定
の範囲内との指摘や新興市場銘柄の地合いの悪さもあって株価の反応は鈍く、
年初来安値で引けました。