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9日の米株式相場は反落。ダウ工業株30種平均は前日比46ドル90セント安の1万891ドル92セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続落し、同10.26ポイント安の2135.06で終えた。朝方発表の輸入物価指数を受けてインフレ懸念が高まった。



 ダウ平均は2月9日以来、ナスダックは2005年11月1日以来の安値。S&P500種株価指数は05年12月30日以来の低水準となった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は午後4時までの通常取引(速報)で約16億株。ナスダック市場(同)は約17億9000万株。



 午前8時半に米労働省が発表した5月の輸入物価指数は前月比1.6%上昇と、伸びが市場予想(1.0%以下の上昇)を上回った。石油を除く輸入物価指数も前月から大幅に加速した。



 インフレ懸念からダウ平均は下げて始まった。一方、ナスダック指数は反発。前日夕、中間業績説明会で通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)が業績見通しを引き上げた。加えて9日にはプルデンシャル・エクイティ・グループが半導体業界全体の投資判断を引き上げたことなどから、インテルなど半導体株に買いが入った。



 前日午後に相場が急速に持ち直し、やや下げ止まり感が出ていたこともあり、ダウ平均も次第に上げに転じた。証券会社が素材大手のアルコアやコカ・コーラの投資判断を引き上げたことも支援材料。午前中の相場は小幅高で推移した。



 午後に入ると、朝方発表の物価指数の上昇を蒸し返した売りが広がった。来週半ばに消費者物価指数など物価指標の発表を控え買いが入らなかったという。朝方上げていた半導体株なども一時、下げに転じた。その後はもみ合う場面もあったが結局下げて終えた。



 TIは大幅安。買いが先行したが、証券会社が目標株価を引き下げたことを受け、下げに転じた。抗コレステロール薬「リピトール」に副作用があるとして訴えを起こされたファイザーも下落。



 インテルは上昇。コカ・コーラ、アルコアも高い。系列部品メーカーのデルファイが従業員の早期退職をめぐって全米自動車労組(UAW)などと合意に至ったと取引終了直前に報じられたゼネラル・モーターズ(GM)も上げた。前日夕に発表した決算が大幅増収だったナショナル・セミコンダクターも上昇した。



〔NQNニューヨーク=横内理恵〕