トリプルプレー

恵比寿・矢向・新石川

日経225
寄りから買いを集め一時は17600円の大台にタッチ!
昨年来高値を9ヵ月半ぶりに上回ったのでした。

日本経済新聞社によると、24日段階の日経平均のPERは20.72倍。P
ERから1株利益を逆算すると、日経平均の1株利益は約845円となる。

 本日は半導体メーカーのエルピーダメモリとNECエレクトロニクス、半導体製造装置メーカーの日立ハイテクノロジーズ、そして設備投資関連株の代表であるファナックが12月締めの決算を発表するなど、決算発表が本格化してきた。

金利の上昇場面を控えている東京株式市場。80年代後半のバブル相場のように、
日本株だけがPER30倍まで買われるような展開は現実的ではないので、利益
の増加がなければ株価の上昇はないと考えておいた方が良い。東京株式市場において
委託売買代金の6割を占めている外国人投資家が「日本株についてだけは高いPER
を許容する」なんてことはあるはずがないのだ。M&Aの本格化や個人消費回復とい
った先行きの期待材料を株価面に反映させるとしても、PERが20倍からどんどん
上昇していくといった考え方は危険だと思う。

第3四半期決算を越えて、1株利益が3%ほど増額修正されて870円になれば
、PER20倍でほぼ今の日経平均の水準になる。5%増額修正されれば1株利益は
887円でもう少し上が望める。株式市場が来2008年3月期の1株利益を織り込
み始め、同期の1株利益が950円程度に増えるならば、1万9000円も視野に入
る。
逆に、第3四半期決算発表を終えても、1株利益水準の増加が見込めなければ、株価
は失望して1万7000円前後に戻るかも知れない。

昨年12月以降の上昇相場。前半を行き過ぎた悲観に対する反動、後半を日本企業の
業績増額修正に対する気体を反映した動きと位置付けるならば、決算発表を通じて株
価の上昇が正しかったのかどうかを検証する重要な時期に入る。

昨年来高値更新となったものの利食い売りに押される

日経平均            17,458.30 (▼49.10)
日経225先物         17,480 (▼50 )
TOPIX            1,729.40 (▼ 9.21)
単純平均             471.26 (▼ 3.08)
東証二部指数           4,205.93 (△12.36)
日経ジャスダック平均       2,213.00 (△ 0.75)
東証マザーズ指数         1,205.16 (▼18.42)
東証一部
値上がり銘柄数          330銘柄
値下がり銘柄数         1,310銘柄
変わらず             73銘柄
比較できず            0銘柄
騰落レシオ           109.44%  ▼ 5.74%
売買高            23億1093万株(概算)
売買代金        3兆0459億1600万円(概算)
時価総額          553兆4664億円(概算)
為替(15時)          120.36円/米ドル

◆市況概況◆

米国市場が堅調であったことやシカゴ市場(CME)の日経平均先物が大幅高となったことなどから買い先行の始まりとなり、昨年4月の高値を抜けて堅調となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系13社ベース)が引き続き買い越しとなったこともあって高値更新となりましたが、寄り付きの買いが一巡した後は達成感もあって、目先筋の利食い売りや戻り売りも多く、上値の重い展開となりました。利益を確定する動きが先行し、徐々に上値を切り下
げるような格好でもたついた雰囲気になりましたが、日経平均はかろうじて昨年の高値水準を保って前場の取引を終えました。

 後場に入ってからも上値の重い始まりとなり、上値の重さを嫌気して先物にまとまった売が出ると一気に軟調となりました。その後は戻りも鈍く、もたついたまま下値を確認しながら、盛り上がりもなく引けとなりました。高値を抜けたことで達成感が出たことや円安一服となり、指数に影響の大きな値がさ銘柄が軟調となったことでもたついた動きとなったようです。それでもむきになって下値を売り叩く動きもなく底堅い展開と言えるのではないかと思います。

 小型銘柄も軟調となるものが多かったのですが、出遅れ感もあってか、二部株指数は堅調となり、日経ジャスダック平均もほぼ変わらずとなりました。先物後場に入ると上値を期待して買いついたむきの見切り売りや高値警戒感からのヘッジ売りなどからまとまった売りが出て指数を押し下げるような場面も見られました。ただ、そうした売りも限定的となって最後は底堅さも見られました。

 ようやく昨年来高値を更新したにもかかわらず、見切りが早いような気がし
ます。それだけ目先的な動きを追う投資家が中心と言うことなのでしょうが、
売買代金の多さを見ても買い方の回転は徐々に効いているのではないかと思い
ます。押し目を確認しながら堅調な地合いは続くのではないかと思います。

マネックス証券 投資情報部長 清水洋介)

◆個別銘柄◆ 

 海運株は引き続き堅調、鉄鋼株は利食い売りに押され軟調

リコー (7752) 2,540円 △125 円 
 4月をメドに米IBMから企業向けのデジタル印刷機事業を買収すると報じられ、買収が実現すればリコーは同分野で世界首位に浮上する見通しで、収益拡大への期待感が広がり大幅高となりました。

ソニー (6758) 5,720円 △90 円 :100株単位
 米株式市場でハイテク株の好決算を好感した買いが入り、その流れやここのところのもたつきの反動もあって大幅高となりました。

日 立 (6501) 830円 ▼10 円 
 日欧10社が送電設備で国際カルテルを結んでいたとして、欧州連合欧州委員会は24日、総額で7億5000万ユーロ(約1200億円)の制裁金支払いを命じたと報じられ、資金負担増などを警戒した売りが出て軟調となりました。

神戸鋼 (5406) 423円 ±0円 
 24日にチタン製品の生産能力増強が発表され、好感した買いが入りましたが、
利益確定売りに押され小動きとなりました。

東 電 (9501) 3,910円 ▼20 円 :100株単位
 配当利回り面で投資妙味がある銘柄を物色する流れが波及し、堅調となりま
したが利益確定売りにおされ結局は軟調となりました。

ホンダ (7267) 4,790円 ▼100 円 :100株単位
過熱感が強まっていたところで、円安に一服感が出たことを手掛かりに利益
確定売りの勢いが強まり、軟調となりました。