アメリカの景気に水

赤羽橋
ゆがみ

ラース・トゥヴェーデ『相場の心理学』を開く

NY連続の下落
本日のポイント


株式市場:午前8時半発表の6月小売販売は予想に反し-0.1%と減少。自動車を除くコアも+0.3%と事前予想を下回った。景気鈍化懸念が台頭する中、昨日に続き資本財、メディア、小売などの売りに押され安く寄り付いた。9時45分発表の7月ミシガン大学消費者信頼感指数は83.0と事前予想を下回り、株式主要指数は景気敏感業種を中心に更に軟化。寄り前に発表されたEMC(EMC)決算が失望となったのを受け、テクノロジーセクターは一段安となった。また、ジェネラル・エレクトリック(GE)決算も事前予想通りとなり、一部の上振れ期待に沿わず、資本財全体の利食いを促した。SP500は昼前1230を割り込んだが、その後も反発の手がかりに欠けたまま、1230〜1238のレンジ内をもみ合いながら推移し終了。中東情勢緊迫を視野にエネルギー関連が高く、金属、紙パ等素材の一部も小確り。一方、資本財、消費関連、金融などが売り込まれた。個別銘柄では、住宅建設のD.R.ホートン(DHI)が2006年度利益見通しを大幅下方修正し約7%下落。フェデックス(FDX)は司法省から価格取り決めの疑いで喚問状を受け取り、約1.4%下落。フォーレスト・ラボラトリーズ(FRX)はテバ・ファーマスーティカル(TEVA)を相手取ったパテント侵害訴訟で有利な判決を勝ち取り約16%の大幅高。

債券・為替市場:午前8時半発表の6月輸入物価指数は予想を下回り+0.1%となり、6月小売販売は-0.1%、自動車を除くコアは+0.3%といずれも事前予想を下回った。昨日のイスラエルによるレバノンへの空爆開始など中東情勢の緊迫化から、10年債利回りは朝方すでに5.04%まで低下していたこともあり、これらの景気データを合図にむしろ利食いの動きとなり、利回りは5.08%付近まで上昇。しかし、午前9時45分発表の7月ミシガン大学消費者信頼感指数が83.0と予想を下回り、個人消費鈍化は明らかとして再び買い戻される推移となった。午後4時の10年債利回りは5.06%付近となった。為替市場では、日銀がゼロ金利政策解除後も金利はきわめて低い水準にとどめると発表したことから、円が売られている。午後4時のドル/円は、前日比89銭高の116.23円付近となった。