新座立教キャンパス

サイバーAの3Qはどのように評価されるのでしょう?
SBのSBIの株の売却は?

7月末時点で公開価格割れとなっている銘柄を見ると、2月17日のアプライド
ら3月19日のエスケイ冷凍食品までの18銘柄すべてが公開価格割れである。ラ
イブドアショックから1ヶ月を過ぎて新興市場が少し立ち直ってきたときのI
PO銘柄であるが、この時期は初値も冴えない動きであった。昨年末から新興
市場相場の中で市場にも強気が蔓延しており少し割高な公開価格の設定が行わ
れていた可能性もなくはない。

4月に入ると初値は高くなるが、その勢いがすぐになくなり失速してしまう銘
柄が多く見受けられた。その背景としては、3月決算の発表において新興株式
市場に上場している企業の業績の下方修正や決算短信の修正などが続き、会社
の発表する業績予想数値に対する不信感が台頭してきた。そのことが新興市場
株の下げに繋がり東証マザーズ大証ヘラクレス株価指数を年初から半分以
下に押し下げIPO銘柄にも大きな影響を与えたと考えられる。

このような環境の中において、「もう新興市場株投資は止めた!」とおっしゃ
個人投資家の方も多いと思われるが、いまこそが絶好のチャンスと考えるべ
き時期であろう。

なぜならば、ここでIPO株の公開価格がどのように決まるか?ということを
考えてみると理解が深まる。

証券界では類似会社比準方式と呼ばれているが、事業内容が似通っていて事業
規模が近い上場企業の株価バリュエーションに合せて適性株価を算出し、そこ
からIPOディスカウントと呼ばれる割引率を掛け算して公開価格が決まるの
である。

新興市場に上場する銘柄の比較対象企業は新興市場上場企業であることからこ
の環境では類似会社のPERも相当低くなっている、その上、上場後の株価が
すぐに公開価格割れになるような環境ではIPOディスカウントが大きくなる
のである。(詳しくは私の著書:「No.1情報サイト 東京IPO編集長が教え
る!IPO株の本当の儲け方」)

つまり市場全体に割安感があることに加えて、類似会社よりも割安に設定され
た公開価格を下回っている現在のIPO株の株価水準は異常な状況にあると言
っても過言ではない。

銘柄選びのチェックポイントは、
1. 増収・増益
2. 時価総額が50億円未満
3. ベンチャーキャピタルなどの売り圧力がない
4. PER15倍未満
この4要素を満たす銘柄であれば、そうそう下値不安はないはずである。

トレーディングではなくインベストメント(投資)をされる投資家にとっては、
またとない機会が訪れたと言ってもいいだろう。

底堅い展開ながら上値も重く小動き

日経平均            15,470.37 (△ 6.08)
日経225先物         15,510 (△20 )
TOPIX            1,569.53 (▼ 0.12)
単純平均             454.81 (▼ 0.61)
東証二部指数           4,155.67 (▼ 3.71)
日経ジャスダック平均       2,215.05 (△ 5.47)
東証マザーズ指数         1,281.85 (△ 4.55)
東証一部
値上がり銘柄数          658銘柄
値下がり銘柄数          918銘柄
変わらず             118銘柄
比較できず            1銘柄
騰落レシオ           89.52%  △4.16%
売買高            14億2817万株(概算)
売買代金        1兆8845億5300万円(概算)
時価総額          499兆0560億円(概算)
為替(15時)          114.80円/米ドル

◆市況概況◆

 米国市場が堅調となったのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系13
社ベース)が売り越しとなったことで上値の重い展開となりました。それでも
日米共に好調な業績を発表する銘柄が多いことなどを好感して買い先行で始ま
りました。前場日経平均の節目と見られる15,500円を超えて推移し、好業績
銘柄を中心に堅調な動きが続きました。

 昼の市場外取引は金額も大きく売り越しと伝えられたことで後場に入ってか
らは利食い売りがかさみますます上値の重い展開となり、その上値の重さを確
認して先物にまとまった売りが出ると、前日の終値を割り込み、軟調な展開と
なる場面もありました。結局、利食い売り一巡後は押し目買いや買戻しで切り
返し、堅調となったのですが、節目と見られた15,500円を抜けずにほぼ変わら
ず、TOPIXは小幅安となりました。

 小型銘柄も引き続き堅調な始まりでしたが、目先筋の利食い売りや戻り売り
に押される場面もありまちまちの動きとなりました。主力銘柄に比べて出遅れ
感が強いことや業績面から見ても売られ過ぎの銘柄も多く、底堅いものが目立
ちましたが日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数は小幅高、二部株指数、
小型株指数は小幅安となりました。先物へのまとまった売り買いも散発的にあっ
て、後場に入ってまとまった売りには目先筋の追随するような動きも見られた
のですが、しっかりと押し目買いが入ることが確認されると買戻しも早く、目
先的な動きが中心と見られましたが、どちらかと言うと買い方に分があるよう
な感じでした。

 堅調な相場が続いていますが、7月4日につけた高値(15,710円)を超えて
こないと「二番底」確認とは言い切れないのではないかと思います。15,500円
を超えて引けてくれば、来週にでも抜けるような感じで強気になって来るので
はないかと思います。足元の業績が好調な銘柄が多いだけに下値は売り叩き難
いのではないでしょうか。

 (投資情報室 清水洋介)

−<今日の言葉>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
押し目(おしめ)
 相場が上昇している局面での、一時的な下げのことをいう。この局面で買う
 ことを、「押し目買い」という。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

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◆個別銘柄◆ 

 路線価の上昇を好感して不動産株が高いなど個別の材料に反応

トヨタ (7203) 6,110円 △150 円 :100株単位
 7月の米新車販売台数が米フォードを抜いたこともあって、まだ発表されて
いない第1四半期の業績への期待感も膨らんで買いが集まり、大幅高となりま
した。

商船三井 (9104) 736円 ▼12 円 
 通期の連結業績予想を下方修正したことが嫌気されて売りが優勢となり、軟
調となりました。

ファーストリテイ (9983) 9,530円 △130 円 :100株単位
 「ユニクロ」の7月の既存店売上高が前年同月比で増加したことが好感され
て買いが集まり、堅調となりました。

住友ベ (4203) 947円 ▼67 円 
 第1四半期の連結経常利益は前年同期比で増益となったものの、通期の見通
しに対する達成率が低かったことなどから売りが優勢となり、大幅安となりま
した。

セガサミーHD (6460) 3,980円 △240 円 :100株単位
 アニメキャラクターがデザインされたパチンコ遊技機の受注が好調と報じら
れたことなどから買いが入って、堅調となりました。

PCDEPOT (7618) 45,550円 ▼1,950 円 :1株単位
 元社員をインサイダー取引で告発したことが伝わり、同社の情報セキュリティ
体制を不安視する向きなどから、朝方に小幅に値を上げた後は売りが優勢とな
り、軟調となりました。