雨の2日新甫

久地梅林

新年度入りも期待はずれ、先物主導で大幅安

日経平均            17,028.41 (▼259.24)
日経225先物         17,030 (▼280 )
TOPIX            1,682.49 (▼ 31.12)
単純平均             452.99 (▼ 10.33)
東証二部指数           4,165.31 (▼ 40.61)
日経ジャスダック平均       2,109.72 (▼ 13.64)
東証マザーズ指数         1,020.30 (▼ 18.01)
東証一部
値上がり銘柄数          162銘柄
値下がり銘柄数         1,503銘柄
変わらず             61銘柄
比較できず            4銘柄
騰落レシオ           84.36%  ▼ 8.55%
売買高            23億3836万株(概算)
売買代金        2兆8762億7400万円(概算)
時価総額          540兆0491億円(概算)
為替(15時)          117.69円/米ドル

◆市況概況◆

 週末の米国市場が堅調となったことや為替が落ち着いていること、外国人売
買動向(市場筋推計、外資系13社ベース)が買い越しと伝えられたことに加え、
新年度入りということで機関投資家やディーラーなどの新鮮な手が入ることが
期待されて、買い先行となりました。寄り付き前に発表になった日銀短観も予
想を若干下回ったものの設備投資動向などが予想を上回り、堅調な展開となり
ました。ただ、寄り付きからの買いが一巡した後は上値も重くなり、目先筋の
見切り売りもあってもたついた展開となりました。

 後場に入ると売りが優勢となり、大幅安となりました。昼の市場外取引も金
額も少なく、売り買いの偏りもないことから市場への影響はなかったのですが、
上値の重さを嫌気する動きや為替が若干円高に振れたことなどから売り先行と
なると動きの鈍さを嫌気する売りがかさんでますます見切り売りが増え、下げ
幅を広げる状況となりました。これといって売り材料があったわけでもないの
ですが、あるものは鉄鋼株の軟調さに嫌気して見切り売りを出し、あるものは
日銀短観が予想を下回ったことを過大評価して売り急ぐ、と言ったような格好
で、先物へのまとまった仕掛け的な売りがそうした個々の売り材料を増幅させ、
売りが売りを呼ぶ展開となったということなのでしょう。

 小型銘柄も軟調とはなりましたが、日経ジャスダック平均や二部株指数の下
げは主力銘柄に比べると小幅に留まりました。小型株指数や東証マザーズ指数
は買い手の乏しい中で見切り売りがかさみ、大幅下落となりました。先物への
まとまった売り買いは朝方からあったのですが、後場に入ってからはまとまっ
た売りが断続的に出て指数を押し下げる展開となりました。

 是といった材料もなったのですが、売りが売りを呼ぶ格好で大幅下落となり
ました。新年度の業績に対する懸念や新年度への期待が強すぎた反動もあり、
買い気の乏しい中で売りがかさみ大幅下落となったものと思います。業績に対
する懸念も前期実績の上ブレでも出てくればセンチメントは変わり、買い気も
出て来るものと思います。米国市場での景気懸念が薄らげば売られたものほど
買われるような展開になって来るのではないかと思います。

マネックス証券 投資情報部長 清水洋介)

◆個別銘柄◆ 

 鉄鋼株や海運株の下げがきつく、食品株は堅調

東 芝 (6502) 787円 ±0円
 米国の石炭火力発電設備の修理・補修サービス企業を約20億円で買収し、蒸
気タービンの保守事業に参入すると報じられたことから、堅調でしたが、地合
いの悪さにおされ、目先筋の売りに押されました。

ニコン (7731) 2,525円 △40 円
 デジタル一眼レフの売り上げが伸びているほか、円安効果も利益を押し上げ、
2007年3月期決算が増益になり過去最高益になる見通しと発表されたことから、
好感した買いが入り堅調となりました。

ビックカメラ (3048) 142,000円 ▼5,000 円 :1株単位
 エディオン(2730)との事業統合計画を白紙撤回すると発表したことから、
業務提携や株式の持ち合いは継続するが、商品調達コストの引き下げなど統合
による競争力強化への期待が薄らぎ、大幅安となりました。

ヤマトHD (9064) 1,774円 ▼126 円
 企業間物流の伸び悩みや人件費の負担増が響き、2007年3月期決算を下方修
正し減益になると発表したことから、失望売りが入り大幅安となりました。

マルコ (9980) 335円 ▼40 円 :100株単位
 営業体制の強化、整備の遅れと新商品の販売時期のずれ込みなどによる減収
が響き、2007年2月中間期決算を大幅に下方修正し赤字になると発表したこと
から、嫌気した売りが入り大幅安となりました。

味の素 (2802) 1,504円 △148 円
 ドイツ化学大手BASFの飼料用アミノ酸、リジンからの撤退を発表したこ
とから、外資系証券が投資判断を引き上げ、大幅高となりました。