日経の調整、未だ終わらず

藤沢 本条ヒロ

円キャリー取引解消への懸念が強く見切り売りがかさみ軟調

日経平均            17,178.84 (▼113.55)
日経225先物         17,130 (▼150 )
TOPIX            1,725.43 (▼ 15.93)
単純平均             468.76 (▼ 4.08)
東証二部指数           4,274.95 (▼ 3.61)
日経ジャスダック平均       2,160.74 (▼ 1.68)
東証マザーズ指数         1,040.52 (▼ 19.96)
東証一部
値上がり銘柄数          318銘柄
値下がり銘柄数         1,297銘柄
変わらず             117銘柄
比較できず            2銘柄
騰落レシオ           105.90%  ▼ 0.22%
売買高            20億4053万株(概算)
売買代金        2兆7589億8400万円(概算)
時価総額          552兆6831億円(概算)
為替(15時)          117.37円/米ドル

◆市況概況◆

 米国市場が堅調となったにもかかわらず、外国人売買動向(市場筋推計、外
資系13社ベース)が売り越し(金額ベースは買い越し)と伝えられたことや円
高に振れたことで売り先行となりました。寄り付きの売りが一巡したところで
底堅い動きとなり、底堅さが確認されると買戻しや押し目買いで堅調となる
場面もありました。ただ、円高が是正されないことなどからハイテク銘柄など
の上値が重く指数を押し下げる展開となりました。鉄鋼株なども指数の戻りの
鈍さに利食い売りを急ぐ展開となりました。

 後場に入ると一段と買い気が細り、軟調となりました。昼の市場外取引は金
額はやや大きく、売り買いの偏りはないと伝えられ、寄り付きは前場引け値
水準で寄り付き買戻しなどもあって戻り歩調となる場面もあったのですが、引
けを意識した時間帯になると先物にまとまった売りが出て指数を押し下げ、指
数の下落を見て慌てた見切り売りもかさむ展開となり、軟調となりました。

 小型銘柄も見切り売りに押されるものが多く、日経ジャスダック平均や二部
株指数は底堅いものの東証マザーズ指数は大幅安となりました。先物にはまと
まった売り買いが見られましたが、どちらかと言うとまとまった売りに追随す
る動きが多く、指数を押し下げる要因となりました。

 引き続き、「円キャリー取引」の解消に対する懸念が強いようです。為替の
水準自体はまだまだ「円安」と言ってもいい水準なのでしょうがこの水準では
満足できないようで、少しでも円が買われると「円キャリー取引」の解消に結
び付けてしまうような感じです。期末が近くなれば配当利回りももう一度見直
される動きも出て来るのではないかと思います。

マネックス証券 投資情報部長 清水洋介)

◆個別銘柄◆ 

 食品株はディフェンシブの一角として堅調、鉄鋼株は見切り売りがかさみ軟
調

国際帝石 (1605) 952,000円 ▼9,000 円 :1株単位
 米北東部で温暖な気候が続くとの予報から、ニューヨーク・マーカンタイル
取引所で原油先物相場が大幅に続落し、これを受けて軟調となりました。

コーセー (4922) 3,240円 △60 円 :100株単位
 外資系証券が新規に投資判断を始めたことから、目先筋の買いを集め、堅調
となりました。

サーボ (6585) 282円 △80 円 
 日電産(大証1部、6594)がTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表
し、TOB価格が1株当たり260円となったのですが、TOBを好感する動きで
TOB価格以上の値段で、ストップ高となりました。

TDK (6762) 9,650円 △350 円 :100株単位
 外資系証券が投資判断を引き上げたことから、円高で全般的に軟調な中、大
幅高となりました。

村田製 (6981) 8,510円 △50 円 :100株単位
 2007年3月期の配当を増配すると発表したことから、個人投資家などの買い
を集め堅調となりました。

住友不 (8830) 4,870円 ▼90 円 
 前日までの上昇に対する反動で全般的に上値が重くなるなか、利益確定売り
が入り、軟調となりました。